読んだり、歩いたり

創作、読書、旅についてのあれこれをつづっていきます

タイトルに動物がいる本

本棚の整理をする時、どのように棚を作るか考えるのが楽しい。

まずは大雑把に大きさが近い本をまとめる。棚の安定感を考慮すると、下段には画集や写真集などの大型本、中段には厚めのハードカバー、上段に新書や文庫など。それをさらに、著者別に並べてみたり、背表紙の色によってグラデーションにしてみたりと、その時の気分で並べ方は様々である。

サイズは関係なく、ジャンルで並べると、セレクトショップのようで読み終えた本も新鮮に映る。今回は、タイトルに動物がいる本をまとめた棚を作ってみた。

『きつねの話』(森見登美彦著)

小道具屋でアルバイトをする大学生。小道具屋の店主、なつめさんへのほのかな憧れ。竹林を背に、長い坂の上に建つ古い屋敷の主人との奇妙な取引。ぬるりとした闇と、どこか生臭く水気の多い空気がまつわりつくような、こわい話。

『ペンギンの憂鬱』(アンドレイ・クルコフ著)

憂鬱症のペンギンと暮らす主人公。マフィアが暗躍し、身辺で銃撃が起こり、不穏過ぎる仕事で糧を得る。ギャングから預けられた少女とペンギンとの共同生活は微笑ましくも、やがてやるせないラストを迎える。不思議な読後感。

『郵便局と蛇』(A・E・コッパード著)

山の麓にある郵便局に切手を買いに行った「ぼく」は、年取った郵便局長から頂上近くにある沼の話を聞き、その沼に棲むという大蛇を見にでかけるのだが……最後の審判の前日を心待ちにする蛇が、なんだか愛おしくてたまらない。

『猫 ねこ ネコの物語』(ロイド・アリグザンダー著)

子どもの頃、大好きだった本。おしゃれで賢く、口が達者で要領の良い猫たちが、少し頼りない人間の友人の尻を叩いたり励ましたり、なんやかんやでうまいことやる物語。だったような。ラツロ・クビニーの挿絵がとても素敵だ。

タイトルに動物がいる本、集めてみると圧倒的に多いのは猫だった。今度は、猫だけで棚を作ってみようかな。